2009年11月26日木曜日

なぜ,指揮者によって音が違うのか?



オーケストラの音が指揮者によって違ってくるのは当然のこととしてよく言われます.ですが,私にとって,ロンドン交響楽団の音が,アンドレ・プレヴィンとクラウディオ・アバドとでこんなにも違うものかと,まさに愕然としました.
演奏自体が違うのはわかります.テンポとか音の大小,クレッシェンド/デクレッシェンド,いわゆる情感表現としての具体的な物理表現の違いによる演奏の違い.ところが,私が感じたのは音の違い,音色も含めたすっきりさも違うのです.
そこで,私はこう考えました.指揮者の音出しの指示の仕方,これは色々個性があります.楽員にとってそろえやすいものと,そうでないもの.指揮法が「サッ」という感じと「サー」という感じ.そろってないと言っても,プロのオケメンバーですので,明らかにあってないと言うことはありません.本当に微妙な違い,それが合奏として合わさったとき,音色の違いとして現れるのではないでしょうか?
完全きっちり合うということが必ずしもいいと言うことではなく,合いすぎると機械的な演奏,ということになるかもしれません.邦楽器の演奏では,意図的に合わせないようにする場合もあります.いずれにしましても,ずれとわからないずれがオケのような多人数合奏になると音色や音の切れの違いになって現れるのではないでしょうか? 私はそう考えています.
別にプレヴィン氏がまずい,ということではないのですが,私はアバド氏のすっきりした明快な演奏が好きでした.

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